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Column[ コラム ]

楽譜の読み方をマスターしよう!記号の意味や基礎知識を解説

楽譜の読み方をマスターしよう!記号の意味や基礎知識を解説

楽譜は、作曲者が楽曲に込めた意図や細かなニュアンスを正確に伝えるためのコミュニケーションツールの役割を果たします。楽譜を読むことで、音の高さやリズム、演奏の指示を理解し、楽曲の構造を深く理解できるでしょう。また、楽譜を読むスキルは、ピアノなどの楽器の習得をスムーズにする効果も期待できます。

当記事では、楽譜についての基本知識と記号の意味を解説します。楽譜の読み方を覚え、ピアノの上達に生かしましょう。

楽譜の読み方をマスターするメリットは?

楽譜には、曲の構成・音の高低・リズムなどのように作曲者の意図に沿った演奏を行うために必要な情報が詳細に記録されています。楽譜は、作曲者と楽器を演奏する人をつなぐコミュニケーションツールとも言えます。楽譜の読み方をマスターすれば、曲への理解が深まり、作曲者の意図に沿った表現を行いやすくなるでしょう。

音楽のジャンルによっては作曲者の意図に沿った基本の表現を理解した上でオリジナリティを追求し、自己流の演奏を楽しむことも可能です。楽譜に記載された基本の表現を理解できないと、自己流の演奏を楽しめず、表現方法の選択肢も狭まってしまいます。

また、楽譜を読めない人がピアノの曲を演奏する際には、メロディや構成を耳でコピーして暗記する必要があります。楽譜の読み方をマスターすれば暗記は必要なくなるため、ピアノの練習をよりスムーズに進められます。

楽譜を読むために知っておきたい基礎知識

楽譜は一定のルールに沿って記載されているため、初心者向けの書籍や学習書で基礎知識を学習してコツをつかめば、簡単なピアノの曲の構造やメロディを把握できます。ここでは、ピアノの初心者が楽譜を読むために知っておきたい基礎知識を解説するので、簡単な曲であれば理解できる状態を目指しましょう。

五線譜とは

五線譜とは、音の高さを正確に表現する目的で使用される5本のラインが引かれた表です。五線譜は、同じページの上から下・同じ段の左から右へと読みます。5本のラインのもっとも下にある線は「第1線」、もっとも上にある線は「第5線」です。

五線譜の左端には、ト音記号もしくはヘ音記号が記載されます。ト音記号が記載されている場合、第1線のさらに下にある土星に似た形状の音符が「ド」、第1線の下にある音符が「レ」、第1線の上にある音符が「ミ」です。

ヘ音記号が記載されている場合、第2線と第3線に挟まれた音符を「ド」とします。ヘ音記号の第5線のさらに上にある「ド」は、ト音記号の第1線の下にある「ド」と同じ高さの音です。

音符・休符とは

五線譜に記載される音符には、全音符・二分音符・四分音符・八分音符などの種類があります。白い丸で記載される「全音符」は、4拍分の長さです。全音符に棒がついた「二分音符」は2拍、黒い丸に棒がついた「四分音符」は1拍、四分音符にひげがついた「八分音符」は0.5拍分の長さで演奏します。

それぞれの音符の右下に点がついた「付点音符」では、横の音符よりも半分長く演奏するルールです。たとえば、四分音符の右下に点がついた「付点四分音符」は0.5拍の長さを追加し、1.5拍分で演奏しましょう。

休符とは、演奏を休む場所に記載される記号です。五線譜の第4線に黒い箱が垂れ下がった「全休符」は全音符、第3線に黒い箱が乗った「二分休符」は二分音符と同じ長さで休んでください。

音符が複数連なる形状の「連符」は、1拍もしくは2拍を等分した長さで演奏するルールです。たとえば、四分音符が3個つながって上に「3」と記載されている連符は、1拍分を3等分した長さで演奏します。

音部記号とは

ト音記号やヘ音記号は、音部記号と呼ばれます。ピアノの楽譜の場合は2段の五線譜で上の段の左端にある音部記号が「ト音記号」・下の段の左端にある音部記号が「ヘ音記号」です。

ト音記号の「ト」は、ト音記号を「ソ」から記載することに由来します。イタリア語の音名で言う「ソ」は、日本語読み(いろはにほへと、でドレミを表現する読み方)の「と」にあたるためです。

ト音記号は別名「高音部記号」と呼ばれ、比較的高い音を示すことから、ピアノでは右手で演奏してください。ヘ音記号は別名「低音部記号」と呼ばれ、比較的低い音を示すため、左手で演奏することが一般的です。

拍子記号とは

ト音記号やヘ音記号の右横にある分数は、「拍子記号」と呼ばれます。拍子とは、一定の時間の中で規則正しく刻まれる強い音・弱い音の組み合わせです。拍子記号とは拍子を分数の形で表記し、「特定の音符を1拍と定め、音符の何個分を1小節に含めるか」を示します。たとえば、4分の4拍子であれば1小節の中に含まれる音は四分音符が4つ分です。

拍子記号は通常、楽譜の冒頭に記載されます。楽譜の途中に拍子記号が記載されている場合にはその場所以降、拍子を変更して演奏しましょう。

楽譜に登場する記号の意味

楽譜には必要に応じて、音の高さ・低さや演奏の順序などを指定する記号が記載されます。楽譜に登場する代表的な記号の意味を理解し、ピアノを演奏する際の表現に生かしてください。

臨時記号

臨時記号とは、特定の音の高さ・低さを一時的に変化させる記号です。以下は、臨時記号の代表例と意味を示します。

シャープ 半音高く
フラット 半音低く
ダブル・シャープ シャープで半音高くした音をさらに半音高く
ダブル・フラット フラットで半音低くした音をさらに半音低く

臨時記号の効力は原則、記号の横にある音符と同じ小節内に限定されます。ただし、同じ小節内であっても、オクターブ上の音符には臨時記号の効力が及びません。

同じ小節内で臨時記号の効力を無効化したい場合には、「ナチュラル」が記載されます。たとえば、「ファ」にシャープがついている楽譜で同じ小節内の「ファ」にナチュラルがついている場合、2個目の「ファ」は通常通りの高さで演奏しましょう。

強弱記号

強弱記号とは、音の強弱を示す記号のことです。以下は、強弱記号の代表例と意味を示します。

pp(ピアニッシモ) 非常に弱く
p(ピアノ) 弱く
mp(メゾピアノ) やや弱く
mf(メゾフォルテ) やや強く
f(フォルテ) 強く
ff(フォルティッシモ) 非常に強く

上記の他には「だんだん強く」を意味する「クレッシェンド」・「だんだん弱く」を意味する「デクレッシェンド」も、強弱記号の1つです。

アーティキュレーション記号

アーティキュレーション記号とは、音符のみで表現できない演奏方法を指示する記号にあたります。アーティキュレーション記号の代表例と意味は、以下の通りです。

スラー 複数の異なる音をつなげ、なめらかに
タイ 複数の同じ音をつなげ、切れ目なく
スタッカート 音を短く切り、跳ねるように
アクセント 音を強調して、強く

上記の他には音を倍程度の長さに伸ばす「フェルマータ」・スタッカートよりもさらに鋭い表現を求める「スタッカティッシモ」も、アーティキュレーション記号に含まれます。

反復記号

反復記号とは、演奏の順序を示す記号を意味します。反復記号の代表例と意味は、以下の通りです。

リピート記号 直前のリピート記号がある場所もしくは曲の冒頭に戻り、演奏を繰り返し
1番括弧 繰り返しの1回目のみ演奏
2番括弧 繰り返しの2回目のみ演奏
ダ・カーポ 曲の冒頭に戻り、演奏を繰り返し
ダル・セーニョ セーニョ記号の記載された場所まで戻り、演奏を繰り返し

ダ・カーポの前に「フィーネ」が記載されている場合に2回目の演奏で残りを演奏する必要がなく、フィーネの位置で繰り返しを終了しましょう。

実際の曲では複数の反復記号を併用することも多く、慣れるまでは、順序の判断に迷ってしまう可能性もあります。反復記号の読み方をマスターしたい場合には、インターネット上で無料配布されているプリントなどを活用し、練習するとよいでしょう。

まとめ

楽譜の読み方を習得することで、音楽への理解が深まり、演奏にも幅が出ます。また、楽譜が読めると暗記に頼らず練習を効率的に進められるので、上達のスピードも向上します。楽譜を読み解く力を身につけることは、音楽を楽しむための大きなステップと言えるでしょう。

楽譜の読み方を勉強したいときは、教本を見たり、音楽教室に通ったりするのがおすすめです。