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Column[ コラム ]

ピアノの音階とは?音階の種類や覚え方を解説

ピアノの音階とは?音階の種類や覚え方を解説

ピアノ演奏の基礎を築く上では、ピアノの音階について理解しておくことが非常に重要です。音階とは、ある音から1オクターブ上の音までの間を一定の法則性に従って並べた音の列のことです。

当記事では、音名と階名の違いや、長音階や短音階、全音音階、五音音階など、さまざまな音階について詳しく解説します。ピアノの上達を目指すために音階の知識を身につけたい方はぜひ参考にしてください。

ピアノの音階とは?

ピアノの音階とは、ある音から1オクターブ上の音までの間を、一定の法則性にしたがって音を並べた列のことです。

英語では「Scale(スケール)」と呼び、ピアノを学ぶときには「○○スケール」という名称で音階を表すことがあります。

よく知られている「ドレミファソラシ」も、音階表記の一種です。

音名と階名の違い

音階を構成する一つひとつの音には「音名」と「階名」という名前があります。

●音名とは

音名とは、音そのものが持つ絶対的な高さを表す名前です。楽譜の調が何であっても同じ鍵盤を押したときに出る音は変わりません。

なお、音名は「ドレミファソラシ」だけでなく、英語の「CDEFGAB」や、日本語の「ハニホヘトイロ」などで表されることもあります。

●階名とは

階名とは、相対的な音の高さや、音が持つ役割を表す名前です。音階の1番目の音(主音)を「ド」として、2番目の音を「レ」、3番目の音を「ミ」というように、順番に「ドレミファソラシ」で名前を付けます。

例として、ハ長調の音階を音名で表すと「ドレミファソラシ」の順です。階名も「ドレミファソラシ」の順であるため、ハ長調は音名と階名が一致しています。

英語・日本語表記の音名と、ハ長調の場合の音階を対応させると下記の通りです。

音名 音階
英語 日本語
C
D
E
F ファ
G
A
B

ただし、ヘ長調の場合はへ(F)の音から音階が始まるため、へ(F)の音が「ド」のはたらきをします。階名は、音楽の調性によって音の場所が変わることに注意しましょう。

階名は音楽理論にもとづく音の呼び方で、ピアノ初心者の方が混乱しやすいポイントです。最初のうちは「音階の順番をドレミファソラシで表している」と覚えるとよいでしょう。

ピアノの音階の種類

ピアノの音階にはさまざまな種類があります。音階の違いによって全音と半音の並び方や、音階から作られる曲のイメージが異なるため、違いを把握しておくことが大切です。

そもそも半音とは、隣り合った音を指します。ピアノの場合は隣り合う鍵盤同士が半音関係で、ドの半音上はド♯で半音下はシ、ミの半音上はファで半音下はレ♭です。

もう1つの全音は、半音2つ分の幅がある音のことです。ドの全音上はレで全音下はシ♭、ミの全音上はファ♯で全音下はレです。

以下ではピアノの音階を7つに分けて、それぞれの概要と特徴を解説します。

長音階

長音階(メジャースケール)は、主音から1オクターブ上の音までの間に下記の進み方で、7種類の音が並んだ音階のことです。

●長音階の進み方

全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音

●例:ハ長調の順番

ド→レ→ミ→ファ→ソ→ラ→シ→(ド)

長音階は安定感のある明るい音の並びとなっていて、一般的に明るさや楽しさを感じさせる曲に使われています。

短音階

短音階(マイナースケール)は、長音階の6番目の音(ラ)から始まる音階です。基本的に下記の進み方で7種類の音が並んでいます。

●短音階の基本的な進み方

全音・半音・全音・全音・半音・全音・全音

●例:イ短調の順番

ラ→シ→ド→レ→ミ→ファ→ソ→(ラ)

短音階は暗い印象を与える音で構成されていて、暗さや悲しさを感じさせる曲でよく使われています。

なお、短音階は異なる順番も作られていて、合わせて3つの短音階が存在しています。

自然短音階

自然短音階(自然的短音階)は、短音階の基本的な進み方として紹介した通りに音が並んでいる音階です。

●自然短音階の進み方

全音・半音・全音・全音・半音・全音・全音

ただし、自然短音階は7番目の音から主音へ行くときに「全音を使っている」という問題があります。

7番目の音は導音と呼ばれ、主音へと導く音です。全音を使うと音程の違いが大きく表れて、違和感があります。

和声短音階

導音から主音へ行くときに全音を使っているという自然短音階の問題点を、解決できる音階が「和声短音階(和声的短音階)」です。

和声短音階は、下記の進み方で音が並びます。

●和声短音階の進み方

全音・半音・全音・全音・半音・増二度・半音

●例:イ短調(和声短音階)の順番

ラ→シ→ド→レ→ミ→ファ→ソ♯→(ラ)

6番目の音から導音へと行くときに増二度(全音+半音)を使うことで、導音から主音へ行くときに半音を使えるようになりました。

しかし、和声短音階は6番目の音と導音との間が全音よりも広がっていて、旋律の違和感や不安定さが強くなります。

旋律短音階

和声短音階で解消できた導音から主音へのなめらかさを保ちつつ、生じた旋律の不安定さを解消できる音階が「旋律短音階(旋律的短音階)」です。

旋律短音階では、下記の進み方で音が並びます。

●旋律短音階の進み方

全音・半音・全音・全音・全音・全音・半音

●例:イ短調(旋律短音階)の順番

ラ→シ→ド→レ→ミ→ファ♯→ソ♯→(ラ)

和声短音階で使っていた増二度がなくなり、導音から主音へ行くときは半音を使っています。

なお、旋律短音階で音階を下がっていくときは調号を解除して、自然短音階と同じように進みます。

全音音階

全音音階(ホールトーンスケール)は、1オクターブ上を全音の間隔で6等分にした音階です。

全音音階は下記の2種類の順番があります。

●全音音階の順番

1 ド→レ→ミ→ファ♯→ソ♯→ラ♯→(ド)
2 ド♯→レ♯→ファ→ソ→ラ→シ→(ド♯)

同じ順番であればどの音から始めても同じ並び方になるため、全音音階には主音が存在しません。

中心となる音が存在しないことにより、全音音階を使った曲は不思議さや無機質さがあると言われています。

五音音階

五音音階は、1オクターブが5つの音で構成される音階です。日本の伝統音楽や世界各地の民謡などで五音音階は広く使われています。

五音音階はいくつかの種類があり、代表的なものとして下記の音階が知られています。

律音階 ド→レ→ファ→ソ→ラ
都節音階 ド→レ♭→ファ→ソ→ラ♭
琉球音階 ド→ミ→ファ→ソ→シ
民謡音階 ド→ミ♭→ファ→ソ→シ♭
ヨナ抜き長音階
(呂音階)
ド→レ→ミ→ソ→ラ

五音音階は日本人になじみ深い音階で、現代でも五音音階を用いた曲はいくつも作られています。

ピアノで音階を覚える方法

ピアノで音階を覚えるときは、基本の「長音階」を実際に弾いてみましょう。長音階の進み方は「全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音」です。

そもそもピアノには白鍵・黒鍵含めて88個の鍵盤があり、ドの鍵盤は全部で8つあります。基本となる「ド」の位置は、左側から数えて4つ目にあるドの鍵盤です。

基本のドの位置が分かったら、まずはドを主音とした長音階(ハ長調)を繰り返し弾きます。

ドから全音をあけてレ、レから全音をあけてミ、ミから半音をあけてファというように、長音階の進み方を意識して弾いてください。ハ長調はドから1オクターブ上のドまで、すべて白鍵のみで進みます。

ハ長調に慣れたら、ニ長調やト長調など他の長調や、短音階も弾いてみましょう。調が変わると黒鍵を使う必要があるため、白鍵と黒鍵を区別しながら指を動かします。

音階のレッスンでは単に指使いを覚えるのではなく、「自分が今どの調を弾いているか」を意識することが大切です。調を意識できると今の調でどの音を使うかが分かり、五線譜上の音符の動きと指使いを合わせられるようになってピアノ上達につながります。

まとめ

ピアノの音階を理解し、演奏に取り入れると、音楽表現の幅をより広げられます。また、実際にピアノで音階を弾いてみれば、理論を実践に結びつけることができるでしょう。

ピアノの上達のため、音階の知識や技術を身につけたい方は、ピアノ教室に通うのもおすすめです。音楽の理論なども楽しく体系立てて身につけられます。